曇った月の美しさ —— 侘び寂びと、ひとつの茶碗
侘び寂びは「不完全の美」ではない。村田珠光が語ったという雲間の月から、志野の火色、瀬戸黒の一瞬まで——ひとつの茶碗に宿る、その本当の意味を静かに解きほぐす。
茶碗を、裏返す —— 名工の手は、どこに宿るか
茶人が、心を惹かれた茶碗を手に取る。そのとき最初にすることは、たいてい同じだ——器を、そっと裏返す。高台・口造り・見込み・重さ・景色。五つの見どころを、静かに手ほどきする。
志野とは何か —— 日本で最初の白い釉と、それを染める火
日本のやきものには、光らない白がある。夕暮れの雪や、紙に落ちた月明かりに近い白——志野は、日本が初めて生んだ白い釉である。その白を染める火色の物語を、加藤尊也の言葉とともに。