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製作技法【織部】

目を奪われる深い緑

光にかざすとエメラルド色に輝く織部。

近くで見ると思わず見入ってしまう程、鮮やかで美しく、深い緑。

均一化されていないその色は、見る角度によって表情を変え、いつまでも見ていられるような美しさを持っている。

織部は、花入ととても相性が良く、花を生けることで作品は完成し、まるで“草原や森に咲く一輪の花”を連想させます。

尊の織部は希少土である百草(もぐさ)土をブレンドしている。

鮮やかな色合いの中に見える百草土の土肌を感じられる織部。

織部は千利休の弟子であった武将茶人、古田織部によって生み出されたと言われています。

織部焼は深みのある暗緑色をしており、その味わい深い色が当時の人々を魅了しました。

釉薬の美しさと、その下にある土肌も同時に感じることができ、視覚、触覚、両方楽しめるのが織部の魅力でもあります。

美しい日本の自然を心象風景として捉え、表現する“尊”の作品。

忙しない生活の中でも、心が豊かになれるような作品に仕上げています。

花を生けず、そのまま飾るだけでも十分にお楽しみいただけます。

100日間の作陶工程

器が完成するまでの約100日間の作陶工程は、さまざまな一期一会が重なり合うことで唯一無二が誕生する。

Day 3
採土
3日間

百草土は希少性が高く、美濃地方の中でも採れる山は限られています。1箇所から採れる量も50㎤ほどしかないと言われ、良質な百草土は今ではほとんど採れなくなっているのが実情です。

Day 10
描く
7日間

日本の美しい四季や自然の変化を感じ取り、自身の中で消化し、スケッチを行いながら形に落とし込みます。描くという行為は、心をアウトプットする作業に近いです。形や色合いを7日間ほどかけて入念に考えます。

Day 70
寝かす
60日間

網で不純物や小石を取り除き、土から脱鉄作業を行います。
その後、次の工程の為、土の粘りの調整を行い、2~3か月は寝かします。
この作業をどれだけ丁寧に行うかが、完成後に大きく影響します。

Day 73
練る・挽く
3日間

練るとういう工程には、土の硬さを均一にする粗練りと、空気を抜く作業の菊練りがあります。練る作業には乾燥を防ぐため、手早く行う熟練の作業が必要です。作陶する工程(手びねり、ろくろ、タタラ)に合わせ、硬さを調整することで様々な美しさを表現することが可能になります。

ろくろを「回す」のではなく、ろくろを「挽く」には、刃物などで物を切ったり削ったりするという意味がありますが、尊では引くという意味も込めています。無駄を省き、最後に残る引き算の美を感じてください。一部の作品を除いて、尊では500年前に実際に使われていた手まわしろくろを再現し、使っています。

Day 80
削る
7日間

数日乾燥後、削り、形を作り込みます。釉薬で隠れてしまう部分ではありますが、骨格は隠せず、最後の焼き上がりに大きく影響します。自作である赤松の木べらを使用。削る箇所に応じて10種類以上の木べらを使い分け、理想とする形に細部までこだわり、時間をかけて作り込んでいきます。

Day 87
乾燥
7日間

乾燥機などを一切使用せず、自然の風を利用し乾燥させます。ゆっくりと水分が抜けるのを待って乾燥させる作業は、 500年前と同じ製法にこだわる、尊のものづくりのスピリットです。高台にある工房には、四季に関わらず風の声が聞こえます。 大地に吹く風の声も作品の一部だと教えてくれました。

Day 90
素焼き
3日間

小さな窯で土に残る水分を飛ばします。 他の土と異なり、特に百草土では冷め割れが生じやすく、窯焼きの温度を低く設定し、割れを起きにくくします。素焼きの温度が高く、土が締まり過ぎても釉薬の乗りが悪くなり、逆に温度が低過ぎても釉薬をかけた時に土が溶けてしまい、形が崩れてしまいます。

Day 93
釉薬
3日間

[志野]何種類もの長石をブレンドした釉薬を使い、白雪のような白を表現します。この白は長石の調合でわずかに変化するため、何度も試行錯誤を繰り返すことで最上の志野が生まれます。
[瀬戸黒]木灰の種類により微妙に黒の色合いが変化するため、色々な調合を試し、理想とする黒を目指します。

Day 100
本焼き
7日間

五感を研ぎ澄ましながら窯の音に耳を傾けます。季節や気候により仕上がりが大きく変わる繊細さを持っている為、窯焼き中は火と向き合いながら5日間以上温度調整を行います。窯焼きの時は、土と会話ができない唯一の時間ですが、火と会話する楽しい時間でもあります。窯の扉を開けるまで色合いや仕上がり具合が確認できず、理想とするものができるのは、1割ほどです。

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織部花入

織部花入

光にかざすとエメラルド色に輝く織部。

近くで見ると思わず見入ってしまう程、鮮やかで美しく、深い緑。

均一化されていないその色は、見る角度によって表情を変え、

いつまでも見ていられるような美しさを持っている。

織部は、花入ととても相性が良く、花を生けることで作品は完成し、

まるで“草原や森に咲く一輪の花”を連想させます。

美しい日本の自然を心象風景として捉え、表現する“尊”の作品。

忙しない生活の中でも、心が豊かになれるような作品に仕上げています。

花を生けず、そのまま飾るだけでも十分にお楽しみいただけます。

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織部壺

織部壺

織部壺は、美しく輝くエメラルド色の釉薬が特徴で、その光沢と深みは見る角度によって異なる表情を見せます。
この特性が、壺に新たな命を吹き込み、空間全体に静かな魅力を与えます。
山々の風雨が流れ込み、川となり、海へと至る自然の営み。
そういった日本の自然の移り変わりを心象風景として捉え、尊は表現しています。
織部壺は、日本の美意識と伝統を象徴する逸品であり、部屋の空気を一変させる迫力を持ちます。

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織部皿

織部皿

光にかざすとエメラルド色に輝く織部。

近くで見ると思わず見入ってしまう程、鮮やかで美しく、深い緑。

均一化されていないその色は、見る角度によって表情を変え、いつまでも見ていられるような美しさを持っている。

料理を盛り付けることで、この深い緑色が料理を彩り、料理の存在感を際立たせます。

織部皿は、料理を引き立たせるだけではなく、料理の後に日本の美しい原風景にあるような緑豊かな自然を感じさせます。

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織部酒呑

織部酒呑

近くで見ると思わず見入ってしまう程、鮮やかで美しく、深い緑。

日本酒を注いでから見えるその均一化されていない色は、見る角度によって表情を変え、いつまでも見ていられるような美しさを持っている。

日本の四季や自然を表現した作品、尊。

織部酒呑は日本の美しい自然に囲まれながら呑むような奥深さを感じさせます。

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器を長く使う・お手入れ方法

STEP1
洗う

洗剤は使わず、水でお洗いください。柔らかいスポンジで擦ります。

STEP2
拭く

柔らかい布や、キッチンペーパーで水を拭き取ります。

STEP3 (抹茶茶碗)
乾燥

天日干しで2時間、天気の悪い日や室内干しの場合は12時間は干してください。
抹茶茶碗の底面(高台)は希少土を直接肌で感じられる部分ですが、水を吸収してしまいます。
カビ防止のため、STEP3の乾燥まで行ってください。

器のお手入れ方法を詳しく見る